2013年5月9日木曜日

牡丹の花 最後の一輪

 牡丹の木は成長が遅い。俗に言われているのは,1年経るごとに1輪ずつ花が増えるというものだ。我が家の牡丹は家を新築した20年前に植えたものである。4年前には26輪もの花をつけ,花の重みで雨の日に枝が裂けた。しかし,去年から急に樹勢が衰え,今年はたった一輪だけとなった。周りの枝もほとんど枯れているので,来年はもう花を見ることはできないだろうと諦めている。年老いた母親の最期を看とったときのことが思い出された。
 しかし,牡丹には枯れても楽しみがある。牡丹は接ぎ木なので,牡丹が枯れると台木の芍薬が咲くようになる。牡丹ほど派手ではないが,そのすっきりとした美しさは,くどくなくてむしろ牡丹より好きだ。どんな色の芍薬が出てくるか,今から来年の春が楽しみだ。


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