2014年12月16日火曜日

おおやま道

 国道1号線を国府津から二宮方面に走ると、西湘バイパスの橘インターの手前前羽小学校付近に「大山道」道標がある。昨年までは気づかなかったが、今年になって道路沿いにあった家が取り壊されたため、道標だけが取り残され目立つようになった。ただならぬオーラを持った道標だ。

 「大山道」って伊勢原にある大山?余りにも距離的に離れているので、実感が湧かないというか思考回路がつながらない。それにしても手の込んだ立派な道標だ。早速家に帰ってインターネットで検索してみると、この特徴的な道標の写真とともに様々な情報が出ている。

 大山と言えばばくちと商売にご利益があるということで、江戸から多くの人が参拝に来たということは何となく知ってはいた。落語の「大山詣り」はこれを題材にした余りにも有名な話。毎年旧暦の6月27日から7月17日までの20日間の祭礼では、奥の院の石尊大権現に参詣が許されるということで、この期間に合わせ行楽を兼ねて参詣する江戸の夏の年中行事だったようだ。ちなみに、江戸中期以降、社寺参詣ブームで賑わった大山道と登戸道の分岐付近に信楽(後に石橋楼)、角屋、田中屋の三軒の茶屋が並んでいたことが三軒茶屋の由来だそうで、三軒茶屋交差点にもよく似た道標が今も残っている。

 江戸からそれほど多くの人が集まるのなら、当然小田原からも参詣する人がたくさんいたことだろう。複数のルートがあったようで、ここ前羽から始まるルートは、「羽尾通り大山道」と呼ばれていたようだ。興味のある人はググってみるといいだろう。

 道端の道標をきっかけに、楽しい調べ物の一日となった。






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